termination

裏庭の穴に溜めすぎた生き恥の集合体

2020年10月に観た聴いた読んだもの

f:id:SJGqP789:20201105191801p:plain

はじめに


10月半ばにこういう目標を掲げました。


続けられたので10月分のまとめです。
以下の観た・聴いた・読んだものの概要と感想を軽くまとめています。
文章力とかはご容赦ください。

観た

仮面ライダークウガ』3~14話

www.youtube.com

遥か昔、人類を殺戮する謎の集団「グロンギ」と戦士「クウガ」の戦いがあった。そして時は流れ、西暦2000年。復活したグロンギから人々を守るため、古代のベルトをその身に宿した冒険家・五代雄介は仮面ライダークウガとして戦い始める。次々に出現する怪人たち。激化する戦いの中で、より強力な形態を獲得していくクウガ。「みんなの笑顔を守るため」。五代は刑事・一条薫をはじめとする多くの人々に支えられながら、グロンギとの死闘を繰り広げていく。

引用:https://www.kamen-rider-official.com/riders/1

先月から始まった東映特撮YouTube Officialでの毎週土曜日の2話配信。配信が終わる直前とかに観ていることが多い。
まだまだ序盤なので一概にどうとは言えないが、徹底した理屈付けと雄介を始めとした登場人物の魅力、未確認生命体(グロンギ)の恐怖など毎週引き込まれる作りでとても面白い。子供がメインターゲットかつ玩具がメイン商材の番組としてはかなり異色な作りで確かにこれは今じゃできないな……と前評判に納得。
義務的になることなく毎週楽しめている。

ぼのぼの』(1995年版) 1~14話

watch.amazon.co.jp

ぼのぼのの島の動物達が繰り広げるヒューマン物語。主人公ぼのぼの(ラッコ)とアライグマくんやシマリスくんの仲良し三人組。子供達から見た社会の構図や不思議に思う事を日常の生活を通して考えるコメディアニメーション。

引用:https://www.amazon.co.jp/%E3%81%BC%E3%81%AE%E3%81%BC%E3%81%AE/dp/B01LXAWU61

恋人と寝る前によく観ている。
お互いバイトなどで疲れたところにこのアニメを観るとかなり癒される。特に前期EDの「近道したい」が染み渡る。


ぼのぼのED 近道したい/須賀響子

完全な余談だけど俺はぼのぼのに自己投影していて(彼ほど純粋ではないが)また恋人が俺とぼのぼのが似ていると言っていて、俺のバイトの業務を踏まえて
f:id:SJGqP789:20201105000028j:image
こんな絵を描いていた。いいでしょこれ。

『アップロード ~デジタルなあの世へようこそ~』シーズン1

www.amazon.co.jp

エミー賞受賞、「ジ・オフィス」「Parks and Recreation」のグレッグ・ダニエルズによる愉快な新作SFコメディ。未来では人は死後、豪華な仮想現実へ意識をアップロードすることが可能になっていた。パーティー好きな男、ネイサンはアップロード先の仮想現実のホテルで、現実世界にいる顧客サービス係のノラと出会う。ノラの助けで友情や愛、人生の意味を知っていくうちに、2人は親しくなっていく。

引用:https://www.amazon.co.jp/gp/video/detail/B08BYYG3SP/ref=atv_dp_share_cu_r

元々「佐久間宜行のオールナイトニッポン0」で紹介されていたので興味を持ち、しばらくして視聴。深夜から早朝にかけて恋人と一気見した。
近未来SFな世界設定とコメディタッチなトーンをベースに、先が気になるミステリー/サスペンス的な展開や未来のデジタルガジェットの数々、デジタル化された生命に対する死生観の変化や恋愛の変わる部分と変わらない部分、さらには人生の意味など様々な要素が混ざり合うストーリーには一気に引き込まれた。
近未来でも金銭的な格差は存在するどころかアップロード先にもある意味現世より酷なものが存在していたり、アップロードされた人間自身の苦悩やそれに対する生きている人間の反応など、ただ愉快なだけではないドラマが奥深さを与える。というかこの作品の中核はそこだよな……。
シーズン2の制作が決まっているとのことなので今から楽しみすぎる。

聴いた

Accept - Balls To The Wall

Balls to the Wall

Balls to the Wall

  • アクセプト
  • メタル
  • ¥1630

1984年発表の通算5作目。メジャー第1弾となったアルバムで、これまでのアクセプトのサウンドよりもより洗練され、アメリカのマーケットを意識した音になっているシングルカットされた「ボールズ・トゥ・ザ・ウォール」はヴィデオ・クリップも制作され、全米アルバムチャートで最高74位と大健闘。このアルバムを最高傑作とする声も少なくない。

引用:https://www.hmv.co.jp/artist_Accept_000000000007554/item_Balls-To-The-Wall-Rmt_1494320


Accept - Balls to the Wall
この時代を感じるタイトル曲のMVとこれについた「AC/DCJudas Priestの子供」という旨のコメント通りの骨太な楽曲に惹かれヘビロテしていたところ、偶然にもアルバムを見つけて購入。
80年代ヘヴィメタルのお手本みたいなアルバム。骨太なバンドサウンドにUdo Dirkschneiderの癖のあるヴォーカルとAccpet独特のコーラスワークが組み合わさり否が応でも盛り上がる。

LATE NIGHT VHS - LATE NIGHT VHS


Bandcampで無料配布。ジャケットに使われている写真の出処を調べるために画像検索をしていたところで見つけた。
Vaporwaveのアルバムはタイトルが作品をそのまま表しているものが多い (主観) 。このアルバムも例に漏れず、深夜にVHSテープを視聴しているような、ローファイで落ち着いたスローな楽曲で構成されている。さらにはビデオをスキップしたような演出も。
夜中にゆっくり落ち着きたい時に軽く流すと最適。劇伴的でもある楽曲群で、オトナな夜を演出し自己陶酔できる。

VHSテープリワインダー - リアルライフSIMULATION


こちらもBandcampで無料配布。
これもまた名は体を表すといった内容で、バーチャル上で現実生活をシミュレーションしたというコンセプトで (恐らくは) 進む。とはいえ過度なチョップドアンドスクリュードが施された楽曲上でシミュレートされるそれらはあまりにもローファイで歪。
Vaporwaveはなんとなく音を流す時に持ってこいかもしれないが、これを生活のBGMとして流すには少々奇妙か。

読んだ

高橋源一郎『さよなら クリストファー・ロビン

さよならクリストファー・ロビン

さよならクリストファー・ロビン

 

お話の中には、いつも、ぼくのいる場所がある──いつも考えている幼い少年と、なにかを書く仕事をしているパパ。「お子さま携帯」が時々「けいほう」を鳴らす日々。ぼくは何でもパパに聞き、パパは一緒に考える。物語をめぐり、あらゆる場所を訪れ、新しい物語の誕生に立ち会う。「虚無」と戦うものたちの物語。

引用:https://www.shinchosha.co.jp/book/450802/

図書館で借りて読了。

小学生の頃に読んで以来影響を受け続けている、全6編の短編集。
成長してから読むと前回よりも具体的に頭に入ってきた。誰もが知る童話やアニメなどを引用しながら、「死」や「虚無」や「忘却」などについて描かれる。
初読時に驚いた展開は予め来ると分かっていたので当時より驚かなかったが、その後の展開が今読むとかなり恐ろしく感じられた。なにあれやばいって。
正直言ってこの短編群の全てを理解したとは到底言えない。とはいえこれが自分の中でかなり重要な作品であるということは再確認することができた。
今回は図書館で借りたが、ゆくゆくは自分の手元に持っておきたい1冊。

浅野いにおソラニン

この限りなく不透明なイマをを生きる、僕らの青春狂想曲――
社会人2年目、種田と芽衣子の
楽しくもせつない、小さな恋の物語――
性別・世代を越えて確かな共感と感動を呼ぶ、超話題作!!
(2005年12月5日 発売 YSC「ソラニン」第1集 内容紹介コメント)

引用:https://comics.shogakukan.co.jp/book?isbn=9784091897367

恋人から借りて読了。

自分達を見ているようで苦しくなった。まさしく登場人物と同じようなことで悩んでいるからだろう。いつまでもこのままじゃいけないことは分かっている。でも後戻りできなくなっても突き進むことも、さっと身を引くことも、勇気がなくて中々できない。

この漫画は「大人」に近づきつつある人々の青春漫画としてよくまとまっている。1巻終盤から2巻にかけての展開なんかは程よく希望を持たせた爽やかな終わり方。
しかし今の俺にはどうにもその展開がファンタジーのような、よりフィクション的なように思えてしまう。それは1巻の種田と芽衣子、そして2人の関係性に自分達をかなり投影できてしまうからだ。ここまで進んではいないが、とても生々しい。
とはいえ彼らは彼らのやり方で前に進もうとしている。まだ心の中に光がある。
2巻で芽衣子が取る行動もモチベーションはかなり前向きだ。ずっと生々しいまま終わったらこんなに心動かされなかっただろう。エンタメ的にはこれが正解なはずだ。
今は上手く言語化できないがともかくこの漫画は自分達にかなり重ね合わせてしまう。そして俺は未だに種田のような勇気が中々出ない。
とりあえず近いうちにまた読み返すだろう。そして似たような状況に近づいていく時にこの漫画に戻っていきたい。

いがらしみきお『ぼのちゃん』

ぼのちゃん

ぼのちゃん

 

おぼえているよ、生まれた日のことを――

ぼのぼの連載30周年記念作品。
まだなにもできない赤ちゃんのぼのぼのと育児に奮闘するおとうさんの姿を描いたお話。

はじめてのハイハイ、はじめての言葉、はじめてのお友達。
たくさんのはじめてでぼのちゃんはできています。

全ページフルカラー、描き下ろしパラパラまんが付き。
今1番癒される4コマの誕生。

引用:http://www.takeshobo.co.jp/book_d/shohin/5110201

ブックオフで見かけて購入。210円という投げ売り価格だった。なんで。

ぼのぼの」のメインキャラのぼのぼのシマリス、アライグマが生まれたての頃のエピソード。
たしかに赤ちゃんの頃はこんな感じだろうなというエピソードに子育てに奮闘するぼのぼののお父さんと可愛さがあるギャグが展開されるが、時折挟まれるぼのぼの視点のポエムなどに見られるようにこの作品の主題は子どもの誕生の祝福にあるのだろうなと思った。それ故にただ「かわいい」だけじゃなく胸が暖かくなる。
サラっと読めてとても良い漫画だった。

(この日記から丸々再掲)

sjgqp789.hatenablog.com

又吉直樹『劇場』

劇場(新潮文庫)

劇場(新潮文庫)

 

高校卒業後、大阪から上京し劇団を旗揚げした永田と、大学生の沙希。それぞれ夢を抱いてやってきた東京で出会った。公演は酷評の嵐で劇団員にも見放され、ままならない日々を送る永田にとって、自分の才能を一心に信じてくれる、沙希の笑顔だけが救いだった――。理想と現実の狭間でもがきながら、かけがえのない誰かを思う、不器用な恋の物語。芥川賞『火花』より先に着手した著者の小説的原点。

引用:https://www.shinchosha.co.jp/gekijou/

映画を勧められ、まずは原作をと思って図書館で借りて読了。

とにかくつらい。自分の行く末を見ているようだった。
ソラニン』も似たような状況の似たような題材だったのだが、まだ主人公達には希望だったり変わろうとする前向きさがあり、フィクション故のポジティブさや希望が残る爽やかな読了感があった。
しかしこの小説はとにかく「現実」を描いている。
変わろうとしても中々上手くいかないのが実情。自分はどちらかと言えば、いやどちらか言うまでもなく『ソラニン』の主人公・種田ではなく『劇場』の主人公・永田だ。
永田は世間とのズレだったり他人への不信感や劣等感や偏見に満ちている。自分の夢にすがり、自分のダメさは分かっているがかと言ってそこから自発的に変わろうしているかといえばそうとは言えない。そうして時が進み、自分を愛してくれる相手を傷つけていく。書いていて永田の事を書いているのか自分の事を書いているのか分からなくなってきたな。
時が経つにつれて変わるものと変わらない (変われない) もの、変わらない故の苦しみ。最後はとても綺麗なような、いやしかし俺にとっては残酷な幕引きに思えた。

とにかく俺の中では自戒的な作品だ。これもまた自分の中で重要な部分を占めることになるだろう。
いずれは手元に持っておきたい1冊。映画も近々観たい。

おわりに

継続は力なりとはよく言ったものでなんだかんだ色々と摂取できていて、やると決めた日からはなんだかんだどれか2種類は摂取できている。11月は3種類全部摂取できる週を増やしていきたいね。義務的ではなく楽しみながら。
そして11月の初週に入って既に2枚のアルバムを聴いている。中々幸先良い。
さらに『劇場』の映画版を恋人と観る予定が立った。どうなるのか怖くて楽しみだ。

それではまた来月。